「棋王きおう戦せん」五ご番ばん勝負しょうぶの第だい1局きょくは富山とやま県けん魚津うおづ市しで行おこなわれ、振ふり駒こまの結果けっか、藤井ふじい八はち冠かんの先手せんてで午前ごぜん9時じに始はじまりました。

対局たいきょくは序盤じょばんに大だい駒こまの「角かく」を交換こうかんする「角かく換がわり」の形かたちで、開始かいしから1時間じかんでおよそ60手てと、テンポよく進行しんこうしました。

その後そのご、藤井ふじい八はち冠かん、後手ごての伊藤いとう七なな段だんともに守もりを固かためながら出方でかたをうかがう展開てんかいが続つづき、双方そうほうの「玉たま」が相手あいての陣地じんちに入はいります。

そして午後ごご5時じ35分ふん、129手てまでで互たがいの「玉たま」が詰つむ見込みこみがなくなる「持じ将棋しょうぎ」となり、規定きていによって第だい1局きょくは引き分ひきわけとなりました。

タイトル戦せんで「持じ将棋しょうぎ」が成立せいりつするのは異例いれいで、藤井ふじい八はち冠かんが公式こうしき戦せんで「持じ将棋しょうぎ」となったのは初はじめてです。

今回こんかいのタイトル戦せんで藤井ふじい八はち冠かんは「棋王きおう戦せん」2連覇れんぱがかかり、現在げんざい、並行へいこうして行おこなわれている「王将おうしょう戦せん」でもタイトル防衛ぼうえいに臨のぞんでいます。

一方いっぽう、挑戦ちょうせん者しゃの伊藤いとう七なな段だんは藤井ふじい八はち冠かんと同い年おないどしで、去年きょねんの「竜王りゅうおう戦せん」以来いらい2回かい目めのタイトル戦せんです。

前回ぜんかいは藤井ふじい八はち冠かんに4連敗れんぱいで敗やぶれていて、今回こんかい、雪辱せつじょくを期きす戦たたかいとなります。

「棋王きおう戦せん」五ご番ばん勝負しょうぶは先さきに3勝しょうした方ほうがタイトルを獲得かくとくし、次つぎの第だい2局きょくは今月こんげつ24日にちに金沢かなざわ市しで行おこなわれる予定よていです。

藤井ふじい聡さとし太たい八はち冠かん「もう少もうすこし深ふかい認識にんしきが必要ひつようだった」

対局たいきょくのあと、藤井ふじい聡さとし太たい八はち冠かんは「うまく後手ごてに手厚てあつい陣形じんけいを作つくられてしまったので、もう少もうすこし深ふかい認識にんしきが必要ひつようだったという気きがしています」と振り返ふりかえっていました。

公式こうしき戦せんで自身じしん初はつの「持じ将棋しょうぎ」となったことについては、「全まったく意識いしきしていなかったです」とし、「次つぎの第だい2局きょくは後手ごて番ばんになると思おもうので、しっかり対局たいきょくに向むけて準備じゅんびをしていきたい」と話はなしていました。

伊藤いとう匠たくみ七なな段だん「かなり神経しんけいを使つかいながらの展開てんかい」

一方いっぽう、伊藤いとう匠たくみ七なな段だんは「『持じ将棋しょうぎ』を目指めざす展開てんかいでしたが、こちらの『玉たま』の方ほうが相手あいて陣地じんちへ入はいるのに手数てすうがかかるので、かなり神経しんけいを使つかいながらの展開てんかいでした。第だい2局きょくは少すこし間隔かんかくも空すくと思おもうので、しっかり準備じゅんびして臨のぞみたいと思おもいます」と話はなしていました。